
粉瘤・脂肪腫
粉瘤・脂肪腫
一般的に「しぼうのかたまり」と呼ばれることがありますが、体中のどこにでもできる良性の皮下腫瘍です。
皮膚の上皮成分が皮内や皮下に落ちて袋を形成し、その中に垢や脂がたまってできた固まりが粉瘤です。多くは数ミリ程度の盛り上がった状態から次第に大きくなり、数センチほどの半球状になることもあります。皮膚が破けると膿汁と臭い粥状の固まりを排出します。膿を出そうと無理に圧迫すると、袋が破れて脂肪織内に散らばり慢性化してしまうこともありますので、内容物を無理に排出することは避けて早めに受診してください。
まれに外傷をきっかけにできることがありますが、ほとんどの粉瘤に原因はありません。
体質により粉瘤が耳周辺や肩から背中にかけて出来やすい方もいます。
そのほか、外毛根鞘性嚢腫や多発性毛包嚢腫というアテロームの仲間もあります。外毛根鞘性嚢腫は頭にでき、粉瘤よりやや硬いしこりです。多発性毛包嚢腫は腕やくび、わきなどに20~30個と多発するしこりで、マヨネーズのような黄色いドロッとした内容物がたまっています。
身体のどの部分にもでき、溜まった角質やアカは袋の外には出られず、数ミリ程度のやや盛り上がった状態から次第に大きくなり、気づいた時には数センチほどの半球状になることもあります。
粉瘤は、触れたり押さえたりすると強い悪臭を生じます。炎症を起こしていると、刺激がなくても悪臭が続くこともあります。
特に赤みや痛みがない場合は、緊急性はありませんが炎症が出現する前に外科的切除(手術)が必要です。
粉瘤は再発率の高い疾患です。
粉瘤の手術を受けたのに治らなかったという場合、実際には感染性粉瘤に対する切開排膿の治療しか受けていないケースが多くあります。本体の袋が残っているため、数ヶ月~1年程度で、再び内容物がたまってしこりになったり感染を起こしたりします。また、実際に摘出手術が行われているにもかかわらず再発することも少なくありません。
粉瘤の臭い独特の悪臭で、粉瘤に気が付くことがあります。
粉瘤は皮膚の下に袋ができて老廃物がたまります。触れたり押されたりして内容物が出てくると強い悪臭を生じます。感染を起こしている場合には刺激がなくても悪臭が続くこともあります。
粉瘤で炎症が起こると嫌気性菌のプロプリオバクテリウムが増殖します。これによってプロピオン酸が産生されて強い悪臭を生じます。粉瘤からドロドロした悪臭のあるものが出てくると、気になって強く圧迫して中身を出したくなる気持ちはわかりますが、絶対に潰さずに、軽く拭うだけにして、できるだけ早く受診してください。
粉瘤に似た別な腫瘍の場合もありますので手術を行うかは診察後に判断します。
大きさや部位、感染の有無、感染の既往、エコー所見、患者様の希望などによって最適な治療方針をご提案いたします。ごくまれに悪性の可能性があるため、当院では全例摘出後に病理検査を行います。
手術は予約制となっております。初診時に手術日を予約し、術前検査を行います。手術当日の軽食は可能です。お化粧等は落としてから御来院ください。
所要時間は30分程度です。
感染性粉瘤の治療は抗生剤の内服、切開排膿があります。粉瘤は感染すると2~3倍程度まで腫脹します。この状態で摘出手術を行うと、創部感染のリスクが高く、創部も大きくなるため、通常は摘出手術を行わず、切開排膿処置を行います。感染・腫脹が消退した1~2ヶ月後に根治手術をおすすめします。
皮下に発生する腫瘍の中では最も多くみられる良性の腫瘍です。
皮下組織にみられる浅在性脂肪腫と、筋膜下、筋肉内、筋肉間にみられる深在性脂肪腫があります。
背部、肩などに現れることが多く、上腕、殿部、大腿など四肢にもみられることがあります。
痛みなどの症状は無く、皮膚がドーム状に盛り上がり、柔らかいしこりとして認められます。
大きさは数ミリ程度の小さなものから直径が10センチ以上に及ぶものまで様々です。
20歳以下には発症することはまれで40~50歳代に多くみられます。女性に多いといわれています。
発生の原因はよくわかっていませんが、ある程度の遺伝性はみられるようです。
脂肪の塊なので肥満との関連性があると考えられがちですが関係がないようです。
脂肪腫は、自然に治ることはありません。
細胞の増殖スピードは様々ですが、基本的には大きくなっていきます。
大きくなると手術のご負担も増大するため、早めに治療をされることをおすすめします。
皮下にできるドーム状に盛り上がったやわらかいしこりです。
幼少期にできるとされていますが、とてもゆっくり発育する腫瘍なので40~50歳代になって気付く人も多いようです。
数センチから30センチになるものまで様々です。
状態をみて、超音波(エコー)検査を行います。大きなものの場合にはCT検査が必要になることもあります。
自然治癒はしないため、外科的に摘出することが唯一の治療法です。
脂肪腫は通常薄い膜に包まれており、一塊のままきれいに取り除きます。
サイズが大きい脂肪腫や急速に大きくなるものは悪性のものが存在するため、当院では全例摘出後に病理検査を行います。
当院では、局所麻酔による脂肪腫の日帰り手術を行っています。
悪性の疑いがある場合や、巨大であったり、深部で神経等に接しており全身麻酔が必要なケースでは連携医療機関をご紹介します。
当院では、脂肪腫の検査から、診断、手術、病理検査まですべての治療を健康保険適用で行っていますので、安心してご相談ください。
TOP